フクロウの生態について皆さんはどのくらい知っていますか?
「ホーホー」と鳴くイメージがありますが、実はこれはフクロウの鳴き声ではありません。
フクロウの仲間である“コノハズク”の声だそうです。
色々な誤解があり、意外と知られていないフクロウの生態を調べてみました。
今回は、「フクロウの雛の巣立ち」について述べたいと思います。
フクロウの子育てについて
3~4月頃、巣の中に白色の卵を1~3日おきに2~4個の卵を産みます。
メスが羽を開いて卵を包み、40度の体温で1カ月ほど温めると卵が孵化します。
卵が転がりやすい形をしているため、巣の中に少し窪みを掘り、「産座」を作って、落ちないための工夫をしています。
その間オスは何をしているかと言うと、狩りに出かけています。
1日に1、2個体の獲物を捕獲して、巣の近くまで来たら待っていたメスに獲物を受け渡し、また飛び立っていきます。
メスは与えられた獲物を丸呑みして、すぐに巣に戻り、また卵を温め始めます。
「メスが巣を守って、オスは狩りに出かける」という役割分担は、卵が孵化してからもしばらく続きます。
雛は食欲旺盛!
孵化後、生後2日で1日に約50gのエサを食べます。
2週間ほどで雛の羽が生えそろって、自分で保温ができるようになると、卵を温めていたメスも狩りに出かけていくようになります。
最盛期の雛は1羽で約200gのエサを食べるそうです。
食欲旺盛な雛のために、オスとメスの両方が力を合わせて狩りをし続ける必要があるのです。
雛同士の仲は良い!
鳥の雛は巣の中でエサの争奪戦を繰り広げているイメージがあるのですが・・・・。
フクロウの雛は性格が温厚で、仲が良いようです。
雛同士で餌を譲り合う傾向があり、遅れて孵化した雛も一緒にスクスク成長し、仲良く巣立ちしていきます。
雛の巣立ちの時期は?
フクロウの雛は、孵化して40日後ほどで巣立ちします。
時期としては5月頃になります。
巣立ちしても、そこから2~3ヶ月ほどの間(8月頃まで)は、雛は親と一緒に行動します。
両親から飛ぶ練習を教わったり、狩りのやり方を学んだり・・・・、自立するための訓練を行います。
9~11月頃、雛は羽毛が生え揃い“若鳥”に成長します。
若鳥に成長した雛は、親元を離れて完全に独り立ちしていきます。
巣から出てしまうと、もうその巣に戻ることはないそうです。
新たな場所で巣を見つける必要があります。
自然下の寿命は約8年です。
3~4歳で繁殖可能になり、5年ほど繁殖を続けるそうです。
しかし、飼育下での寿命はもっと長くなり、約10年~15年以上と言われています。
まとめ
以上、フクロウの雛の巣立ちの時期についてでした。
いかがでしたか?
雛同士の仲が良いことに微笑ましくなりました。
ちなみに、フクロウはいつも巣にいるわけではないようです。
繁殖期だけの時に、巣を必要とします。
冬の時期になると、なわばりの巣に戻って来て、繁殖の準備を始めます。
例年使用している場所にこだわりを持っていると言われています。
一夫一妻で、毎年同じパートナーと雛を育てていきます。
フクロウの雛が、仲睦まじい両親に見守られながら、スクスクと成長していってほしいと思います。