フクロウに何か音楽を近づけて聞かせると、自然に体が揺れ始めて来ます。この姿を見た方は、とても微笑ましくまるでダンスをしているかのような印象を受けてしまいます。
しかし、フクロウが揺れるのには人間が楽しんで眺めているのと違い、しっかりとした理由があって行動をしているのをご存知ですか。
聴覚を活かすために揺れる
もちろん、フクロウは周辺にいる物事に対して目で見て感じるものもあるのですが、揺れることで頭の角度を変えて聴覚を十分に使おうとしていることが考えられます。
実は、ふくろうの耳は左右の高さが違います。これによって左右の耳では音の聞こえ方が異なってくるので、野生でも獲物の近づいている様子などを正確に察知するためにこのような構造になっているのです。
人間の耳のように左右対称についていないと聞こえ方に不便が出てくるのではないかと考えてしまいがちですが、実は左右対称でないことによって真上からの音や真後ろからの音の原因が何であるのかを区別しやすくなるそうです。
そのために更に体を揺らすことで感度を上げていると考えられます。ですから、フクロウは極めて正確な聴覚を持っていると言われています。
視覚上は焦点を合わせるために揺れる
一方、視覚に関しても、しっかりと焦点を合わせるために見たい方向を見るようにするために揺れているとも考えられます。
ご存知のようにフクロウの目は顔の正面についているので、目が顔の左右についている一般的な鳥のようには視野が広がりません。しかし、正面を見ることに関しては両方の目で視野が重なる範囲で見ることができるので確認がしやすい能力も秘めています。
ですので、視野の狭さをカバーするために真後ろまで首がよく回る構造になっているともいえますね。
まとめ
フクロウは、危険を察知したり獲物との距離を最短で把握したりするために、視覚と聴覚を駆使しているのが分かりますね。
飼育されているフクロウが、音楽に反応するのにも、聴覚だけではなく音源に対して視覚でも警戒をしている様子が伺えます。