可愛くて愛嬌のあるフクロウ。ですが、絶滅危惧種になっています。なぜそのような状態になってしまったのでしょうか。

北海道での絶滅危惧種のフクロウとは

古くからアイヌが「コタンコロカムイ」、守護神としてあがめてきた鳥がシマフクロウです。シマフクロウは世界最大のフクロウであり、国内では北海道にのみ生息しています。体重は約4kg、体長は約70cm、翼長は約180cmで、フクロウ科に分類される鳥類で世界最大級の大きさを誇ります。

国内のフクロウでは魚、主にサケを主食とする唯一の鳥とされています。また、もともと雛の天敵であるエゾクロテンの存在、厳しい冬の天候などが原因で繁殖成功率が低いため個体数は少ないのですが、かつて道内全域に生息していたシマフクロウが激減した主な理由として、人間の乱開発・交通事故・感電など、とにかく人間の営みがシマフクロウの減少に関係しているようです。

人間が繁殖地に入り込むことが多くなり、そのため親鳥が繁殖放棄をし、雛の生存率が低くなるという結果が挙げられています。世界で千羽、うち国内は1割ということでシマフクロウは絶滅危惧種であり、1971年に国指定天然記念物に、1993年には環境省レッドリスト絶滅危惧IA類、IUCN絶滅危惧種、希少野生動植物種とされています。

北海道と福岡で生息している絶滅危惧種のフクロウとは

福岡での絶滅危惧種のフクロウとは

全長18.5~21.5cm、スズメよりも大きくヒヨドリよりも小さいフクロウ、コノハズクが絶滅危惧IB類とされています。

日本のフクロウ科の中で一番小さく、黒褐色のものと赤みの強い褐色のものがあり、両タイプ共全身に不規則で複雑な細かい模様があるのが特徴です。また、耳のように見える羽角があり、眼の虹彩は黄色で足指に羽毛がないフクロウです。

夏鳥として渡来し繁殖しますが、九州では少なく、ユーラシア大陸南半やアフリカ・インドなどに分布し、温帯地方で繁殖するものは熱帯地方へ移動し越冬します。夜行性で、夕方になると活動をはじめ、主に昆虫類を捕食します。薄暗い林の中では昼間鳴くこともあるそうです。

福岡県田川郡添田町と大分県中津市山国町とにまたがる英彦山では毎年繁殖期に複数の鳴き声が確認されています。福岡地域では繁殖期の確認例はありませんが、小呂島では春に渡り途中のものが記録され、英彦山では1991年の台風19号により、大木がかなり失われ、営巣地の減少が懸念されています。コノハズクの県内での繁殖地として考えられる場所は現在英彦山のみなので、周辺の保全が重要です。

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まとめ

人間の便利さによってフクロウが減少してきているようです。しっかりと保護活動をし、少しでも多くのフクロウの生命を守ってあげたいですね。

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