飼い鳥の場合、人とは違うタイミングで驚いたり、逃げたりします。
そのため、骨折することは珍しくありません。
フクロウを飼育している人の中には、やはり、フクロウの突然の行動に驚かされることもあると思います。
驚いて逃げだそうとするのは防衛のためですが、特に良く磨かれた、外と区別が付かない窓ガラスなど、間違って激突する場合があります。
当たり所が悪いと、命を落とすこともありますが、例えば、羽や足など、骨折だけで済むこともあります。
もしフクロウが骨折をしてしまった時、どの様に手当をすれば良いのでしょう。
フクロウが骨折する原因と部位
フクロウは夜行性ですが、スズメの様に動き回る鳥ではなさそうです。
そのフクロウが、骨折してしまう主な原因となってしまうのが、ほかならぬ私達人間(飼い主)です。
ほとんどが、飼い主の勉強不足が原因ということです。
フクロウは、危険から逃れようとして突然飛びます。
その勢いで、羽や足を骨折することが多いのです。
- アンクレットによる骨折
フクロウを屋内で飼育する場合は、必ず足首に「アンクレット」を付けますが、そのアンクレット付近の骨折は、フクロウにとっての劣悪な環境や、まだ、飼い主に慣れていない内にアンクレットをはめようとしたことによる様です。
- 突然の羽ばたきによる骨折
羽の骨折は、何かフクロウにとっての不都合で暴れた時に、羽を広げた範囲内に羽がぶつかるものが置いてあったり、狭い部屋で飛ばす時に多い様です。
フクロウの様に、体が大きな鳥は、フワッと飛び上がり、フワッと着地出来るだけのスペース(広さ)がないと、骨折の原因になります。
- バランスを崩しての骨折
時には、止まり木からバランスを崩して落ちたり、足下がふらついたりなどで骨折する場合があります。
フクロウは、体が重いので、バランスが崩れると自分の体重で怪我をしてしまう様です。
- クチバシのケアミスによる骨折
フクロウのクチバシが伸びすぎると、根元から折れる場合が多い様です。
コレはクチバシの骨が折れていることを意味しています。
その場合は、クチバシを固定しなければなりません。
固定の仕方は、外からと内からがあります。
固定に使ったものが外れるまでは、安静が必要です。
餌は、負担にならない様に、一口大のものを与えます。
骨折の処置(手当)の方法
フクロウの骨折のほとんどは、外科手術となる様です。
残念ながら、外科手術をしても元通りに治るとは言い切れません。
まずは、骨折をしないで済む環境作りから始めましょう。
羽の骨折では、八の字包帯法とボディーラップ包帯法がよく使われる様です。
- 八の字包帯法
八の字包帯法は、応急処置や、動物病院へ連れて行くまでの時間にフクロウが暴れても、それ以上の悪化を防ぐことができます。
- ボディーラップ包帯法
ボディーラップ包帯法は、羽をフクロウの体に固定する方法で、八の字包帯法と合わせて使われることが多いそうですが、胸部の骨折の時は、単独でこの方法が使われるそうです。
※どちらの方法も、締めすぎない様に注意は必要です。
骨折しないためには
- フクロウを脅かさない
もともと鳥類は、臆病です。
フクロウがそばにいる時は特に、生活音であっても細心の注意を払いましょう。
- 個体に合ったアンクレットを選ぶ
主流は、アンクレットをフクロウの足に付けてからハトメで留める方法ですが、フクロウに負担をかけないことが、第一条件です。
その上、専用の機材が必要になるので、普通の飼い主では難しく、ほとんどの場合、フクロウがいたショップで、やってもらう様です。
自分でやる場合は、すでにハトメが付いている「和式の足革」や「ホルスアイルメリ(アンクレット)」がおすすめです。
フクロウの足を沿わせて折り畳むだけの簡単アンクレットです。
- 個体にあったリーシュを選ぶ
長さや太さに種類があり、その個体に合ったものを選びましょう。
リーシュは、山登りに用いられるナイロン製のひもで、ペットショップのスタッフと相談して購入しましょう。
- フクロウの止まり木は、台座が大きいもの
フクロウの止まり木に適しているのは、茶筒の様な形だそうです。
フクロウの安定性を重視した台座で、パーチ(地面に接するところ)は重いか、または固定するのが良いでしょう。
まとめ
フクロウは、広い世界で自由に飛び回っていました。
ですから、飼う場合も広い場所が必要です。
フクロウにとっての危険は、翼を広げても余裕がある広さがないこと、止まり木が適切でないことなど、飼い主の飼育環境の不備や、爪切りやクチバシの手入れへの気配り不足など、まだまだ、「こんな事で!」と思うことがケガや骨折の原因になる様です。
万が一、フクロウがケガや骨折に見舞われたら、病院に連れて行くまでの応急処置や飼い主が施す手当は、とても重要になります。
フクロウをよく理解して、適切な対応ができる様にしておきましょう。