一般的に、「生き物の赤ちゃんは可愛い」というのが通説です。
成魚になれば、「面構えは90歳のお爺さんのよう、強靭な顎と鋭い歯でホタテの殻さえバリバリ砕く。人間の手だって噛みつかれれば食いちぎられる!」といわれるオオカミウオの稚魚でさえ、おたまじゃくしのような体形に、つぶらで大きな目がとても可愛らしい、と評判なのです。
それならば、フクロウの赤ちゃんが可愛いのはもはや当たり前と言っても良く…え?ちょっと待ってください!
どうやら違う意見もあるらしく…?
フクロウを赤ちゃんから飼育するにあたり、種類別のお値段や、飼育についても触れてみましょう。
フクロウの赤ちゃんが可愛いのは当たり前?高価で飼育は難しい
フクロウカフェも大流行。
もふもふフクロウを撫でたり、餌やり体験をして、日頃のストレスが癒やされる方も多いでしょう。
そんなフクロウ、赤ちゃんの頃から育ててみたいと思う方もいるはず。
孵化から、またはヒナから面倒を見れば、猛禽類であるフクロウも人に懐いてくれるのです。
撫でたりなどのスキンシップもさせてくれますし、甘えてくれます。
羽繕い(人には羽根が無いので、髪の毛を繕ってくれる)もしてくれます。
可愛いフクロウの赤ちゃん、人気種別
<小型>
- コキンメフクロウ
丸みを帯びたフォルムが可愛らしく、超小型(成長の体重およそ160~200g、体長およそ21~23㎝)のフクロウです。
丈夫で飼育し易く、人に懐きやすいと言われますが、個体差により性格にかなりの違いがあります。
- ヨーロッパコノハズク
羽角がある小型(成長の体重およそ200g、体長およそ15㎝)の個体です。
可愛い仕草とおとなしい性格で、人にも懐きやすいです。
- スピッツコノハズク
成長の体重およそ90〜160g、体長およそ20〜24cm。
丈夫で飼いやすい個体です。
性格は温厚、人を怖がることなく懐いてくれます。
鳴き声は大きめで、「スピックス」は熱帯を意味しています。
<中型>
- モリフクロウ
「フクロウ」と思い浮かべて「そう、それそれ!」と納得する姿形を持つ(定番の)フクロウです。
成長の体重およそ400〜600g、体長およそ36〜45cm。
くりっとした黒いつぶらな目が可愛らしく、特に女性から大人気。
灰色と茶褐色の体色です。性格はおっとりしていて、人懐こいです。
ですが、繁殖期には攻撃的になります。
- メンフクロウ
お面のような特徴的な顔を持つ中型のフクロウです。
成長の体重およそ200〜480g、体長およそ23〜44cm。
おっとりとした性格で、人にも慣れやすく、環境適応能力も高いので、最も飼育し易いと言われています。
繁殖も比較的容易です。
実は、メンフクロウの赤ちゃんを「可愛い」と言うかは意見が分かれるかもしれません。
というのも……
「最近知ったけど、メンフクロウのヒナがびっくりするほど可愛くない」
「メンフクロウがフクロウん中で一番好きだけど、ニセメンフクロウはちょっと怖い」
「ブラックメンフクロウも怖かった」
などの意見がネット上で見られるからで……
ですが、メンフクロウはひとたび気を許してくれれば羽繕い(人には羽根が無いので、髪の毛で代用)をしてくれるほど人馴れする可愛い鳥なのです。
<大型>
- シロフクロウ
ハリーポッターで有名な、あのフクロウです。
成長になって大部分が白い体毛になるのはオスだけで、メスと幼鳥には黒や茶褐色の縞模様があります。
北極圏のツンドラ地帯に分布しており、暑い日本で飼育するのはとても難しいです。
成長の体重およそ700〜2950g、体長およそ38〜46cm。
優雅な飛翔姿と美しい外見の割には気が荒く、ヒナの頃から人馴れしていないと、馴らすのは困難だといわれています。
種類別の値段
<小型>
- コキンメフクロウ……およそ15万~30万
- ヨーロッパコノハズク……およそ15万~25万
- スピッツコノハズク……およそ20万~30万
<中型>
- モリフクロウ……およそ20万~40万
- メンフクロウ……およそ10万~20万
<大型>
- シロフクロウ……およそ30万~40万
フクロウの赤ちゃん、飼育にあたっての心構え
フクロウの寿命は、小型種でおよそ10~15年、中型種およそ20~30年、大型種ではおよそ40年と言われています。
「可愛い」と一目ぼれして安易に飼うのはやめましょう。
フクロウは猛禽類です。
しつけをするつもりで叱責すれば、その後は外敵と見なされる可能性もあります。
餌は、ウズラ、マウス、ヒヨコ、コオロギなどです。
猛禽類用に冷凍品が販売されており、普段は冷凍しておいて、幼鳥に食べさせる頃合いを見計らって冷蔵庫で解凍しておきます。
例えば、ヒヨコを与える場合は、人肌程度に解凍したヒヨコ肉をキッチンばさみで一口大に切ってから、フクロウの赤ちゃんに食べさせます。
冷たいままの物を与えると、フクロウの赤ちゃんは食べながらブルブルと身を震わせるそうです。
鳴き声にも配慮が必要です。
フクロウの赤ちゃん……例えば、メンフクロウのヒナであれば、普段の鳴き声は「ピィユルルルルー」という柔らかな感じですが、餌を求める時に「ギジャーッ!」という怪鳥のような声で鳴きます。
また、飼育には、最低限でもこれだけの物が必要です。
- フクロウがストレスを感じないような場所
最低でも60~90cmのケージが必要です。
いつも放し飼いでは、フクロウがストレスを感じます。
- 止まり木、または台
フクロウが普段から止まれるようにしておきます。
- 皮手袋
鋭い爪で、人間が怪我をしないようにするため。
- ピンセット、またはトング
餌やり用に必要。
素手で餌をやるのは大変危険です。
他に、水浴び用の容器など。
まとめ
可愛いフクロウの赤ちゃんですが、高価ですし、飼育も大変なことがわかりました。
特に餌やりの面で気持ち悪く思うようなら、かなりの困難が伴います。
また、フクロウ専用の冷蔵庫があれば別ですが、人間用の冷蔵庫にパッキングされた冷凍マウスなどを入れて保存しなければならないと考えると、フクロウを飼う前にご家族の了承を取った方が良いでしょう。