鳥は、排泄孔が肛門と尿道口に分かれておらず、一つの排泄孔から糞便と尿が同時に排泄されるという体の構造をしています。
ヒエ、アワ、キビなどの穀物の種子を主食にするセキセイインコの糞便は、白っぽい部分と黒味がかった緑っぽい部分で配色されており、その境目ははっきりしていて形も小さく丸くまとまります。
糞をしたすぐ後にティッシュで形を崩さぬように取るも良し、(その形を保ったままカサカサに乾燥するため)、乾燥してからチャッと取るのも簡単です。
フクロウの場合は(事前に飲んだ水の量や日頃から与えている餌にもよりますが)肉食のため、その糞便は白っぽい部分と黒っぽい部分で構成されます。
健康な状態であれば、その境目はくっきりとしています。
飼育の体験者談によると……「マウスを多く食べさせると、より黒(または茶褐色)っぽいドロッとした糞をする」そうです。
鮮やかな緑色の糞をする時は、腸管に内容物が無い場合が考えられます。
排泄するのが胆汁色素のみになるため、糞の色が緑色になるのです。
使役するために故意に絶食させているのでなければ、緑色の糞は異常事態です。
疾病の可能性もあります。
赤い色の糞をする時は、消化器官の病気の可能性があります。
さて、これ以降は健康な状態のフクロウを例にとって、お話しを進めていきましょう。
フクロウの糞は2種類ある。臭いがキツイ盲腸糞とは?
フクロウが排泄する糞には、2種類あります。
普通の糞と、盲腸糞です。
盲腸糞は黒いタール状の糞で、普通の糞とは違ってとても臭いです。
盲腸糞をする生き物代表としては、草食性のウサギがいます。
ふくろうは肉食性の鳥なのに、盲腸を持っているのでしょうか?
フクロウの糞は2種類
フクロウが排泄する糞には、2種類あります。
まずは、通常の糞。
便と尿を一度に排泄します。
事前に摂った水の量や餌の具合で、色や粘度に多少の変化が生じます。
一つの糞につき、黒と白の配色がされており、黒っぽい部分が糞で白い部分が尿です。尿は尿酸という状態で排泄されています。
小型のフクロウですと、「プリッ」と一気に出す感じ。
モリフクロウ程度の大きさのものだと、その排泄量も半端ではありません。
フクロウが摂取した水分が多いと、糞のビチャビチャ具合が増します。
飼い主がビチャビチャする糞をされるのを嫌がり、フクロウに水分を与えなければ勿論糞の水分量は減りますが、水が足らずに病気になる可能性があります。
水をあまり飲まない個体であっても、フクロウの健康を考えて、必ず与えるようにしましょう。
もう一つは、盲腸糞と呼ばれるものです。
フクロウ類は、ワシ、タカ、ハヤブサ類とは異なり、大きく発達した一組の盲腸を持っています。
草食性の哺乳類であるウマやウサギ、また鳥類ではニワトリなどが盲腸を持っています。
草食性である彼らの盲腸は、その中で微生物の力を借りて植物繊維を消化するために必要な器官なのです。
ですが、フクロウは肉食性であり、なぜ盲腸が発達したかは未だに明らかにされていません。
フクロウが摂取した餌は小腸を通り、その一部が盲腸へと運ばれます。
盲腸で更に消化が行われたのち、きめ細かく黒っぽいタール状の「盲腸糞」として排泄されるのです。
勿論、ウサギと違って、フクロウが盲腸糞を食糞することはありません。
臭いがキツイ盲腸糞
盲腸糞は非常に臭いがきつく、一日に一度、もしくは二度ほど排泄されます。
臭いがきついのは、消化が正常な証しです。
通常の糞は、それほどは臭いませんが、盲腸糞の場合はネバネバしており、(草食のウサギとは違い、肉食であるフクロウの盲腸糞なので)臭いも酷いのです。
通常の糞はティッシュなどですばやく取り除けば案外臭わないものですが、盲腸糞が洋服やカーテンなどの布製品についてしまうと、粘度が高く、布製品に伸び広がるばかりで、なかなか取れずに厄介です。
除去した後も臭います。
盲腸糞は乾燥してしまえば臭いは軽減されますが、乾燥した糞を掃除の時に湿らせてしまうと、またもや臭いが復活します。
乾燥したまま糞を取り除こうとすれば、ヘラや掃除機が必要になります。
まとめ
フクロウの糞には「通常の糞」と「盲腸糞」の2種類があることがわかりました。
湿っているうちは糞の臭いは当然します。
飼育になれてくれば、フクロウの可愛さも相まって、乾燥した糞の臭いはそれほど気にならなくなるそうです。
飼育体験者の方によれば、「臭いがキツイのは、糞よりもむしろ食べ残しの捌いた餌の方だ」という意見もあります。
フクロウはお気に入りの場所に止まって糞をすることが多いため、糞の落下位置予測をして、予め新聞紙などを引いておくのも良いでしょう。
また、「フクロウの糞は熱いお湯で拭くと綺麗に落ちる」そうです。