生き物であれば、食べた物が排泄物となって出てくるのは自然の摂理です。
当然、食べた物の種類や状態、腸内細菌によっても消化のされ方は違います。
人間であれば、「冷たい物を食べたらお腹を壊す」というのは割に一般的な考え方ですが、鳥類にも当てはまるのでしょうか。
鳥類は鳥類でも、肉食のフクロウの場合はどうなのでしょう?
元から水っぽい糞の個体もいるし、水を飲んだ直後の糞は水っぽい。病気の可能性は?
あまり水を飲みたがらないフクロウもいれば、水が大好きで良く飲むフクロウもいます。
メンフクロウは人に良く馴れる個体が多いですが、糞は水っぽく、後始末が大変だとも聞きます。
健康な個体であれば、糞の形状も硬さも程良く、色の配色もくっきりとしています。
水を飲んだ直後の糞は、どんなフクロウでも水っぽくなります。
盲腸糞は一見すると下痢っぽい糞ですが、下痢便ではありません。
一日一度か二度排泄される生理的な物で、正常な糞の状態です。
基本的に鳥類は綺麗好きであり、十分な羽繕いするために一日の数時間を割きます。
健康な鳥はお尻が汚れていることはありません。
お尻が(糞などで)きたなく汚れていたら、何らかの体調不良が起きているサインです。
フクロウが水っぽい糞をするには理由がある
前述の通り、フクロウの中でも、メンフクロウの糞は大変に水っぽいといいます。
また、水を飲んですぐの排泄は、フクロウの糞はとても水っぽくなりますが正常です。
鳥類は体の構造上、糞と尿を同時に排泄するため、水分を多く摂った後はどうしても糞が水っぽくなるのです。
水分を与えなければ、当然、糞に含まれる水分が減りますが、フクロウの健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。
水分が多い排泄物をするときは、そのほかに、こういった理由が考えられます。
- 消化器排泄物に水分が多い
生理的軟便→盲腸糞、絶食糞です。
下痢→不適切な食餌を与えると下痢を引き起こします。
餌の腐敗、汚染などで下痢になります。
インプリント個体の場合は、餌の与え過ぎが原因の下痢も考えられます。
フクロウが欲しがるままに一度に大量の餌を与えるよりも、少量ずつ何回か繰り返して与えると下痢を起こしにくくなります。
- 泌尿器排泄物に水分が多い
多尿→緊張やストレスによる心因性多飲症、酷暑、腎不全、肝不全、代謝障害などが原因として挙げられます。
具合が悪い時を除き、鳥類は滅多に下痢をしません。
下痢ではなく、多尿である場合がおよそ9割を占めているそうです。
考えられるいくつかの理由として。病気の可能性は?
あまりに水っぽい糞である。明らかに下痢をしている。
こんな場合には、以下の理由が考えられます。
- オウム病
クラミジア菌の感染によって発症する、人獣共通感染症です。
インフルエンザに似た症状を発症し、元気がなくなり、食欲も減退します。
下痢の症状が出ることもあります。
- 総排泄腔内結石
アフリカオオコノハズクの症例では、食欲低下、血尿、下痢の症状が出ました。
尿結石は、少なからず発症する病気だそうです。
- クリプトスポリジウム症
嘔吐や下痢の症状が出る感染症です。
- アスペルギルス症
カビが引き起こす感染症です。
鼻水、呼吸困難や下痢などの症状が出ます。
まとめ
フクロウが水っぽい糞をする理由について調べてきました。
正常範囲なのか、何かの病気の兆候なのかの判断がつきにくい場合は、専門病院に連れて行って指示を仰ぎましょう。